転職のスキル

転職での「スキル」と言われたら次の2種類があると考えてください。

・テクニカルスキル
・ポータブルスキル

の2つです。

テクニカルスキルとは..履歴書や職務経歴書に書ける「経理の経験10年」とか「ネットワークエンジニア5年」といった、その仕事ごとの専門的な経験や技能のことをいいます。


他には資格ですね。「簿記2級」「TOEIC800点」といった資格も当てはまります。

いっぽうで

「ポータブルスキル」とは..履歴書に書けないその人ごとの「人物評価」です。

リーダーシップ、協調性、スケジュール管理、調整能力、明るさ、真面目さ、思考の深さ、コミュニケーション能力、慎重さ など


になります。転職とスキルの関係で、元転職エージェントの僕からのアドバイスとしては


1 技術系エンジニアや経理や人事の事務系専門職の求人は、「テクニカルスキル」重視で中途採用がおこなわれる

2 未経験の仕事、異職種への応募は今まで貯めた「テクニカルスキル」がゼロにリセットされるのを覚悟する


になります。

1については仕事が専門的な技術や経験が必要な「管理系の事務職(経理や人事など)や技術系のエンジニア(メーカー・IT・建設建築・食品ふくめて)

がテクニカルスキルを重視して選考します。


というより、20代前半や半ばを過ぎると、求人で求められるテクニカルスキルをもっていなければ、けっこうな確率で落とされると思います。

たとえば機械メーカーで「メーカーで技術系のエンジニア」の募集があったとして、

「機械メーカーでの開発の経験がどの程度あるか」というテクニカルスキルがあるかどうかを企業はまずは職務経歴書で確認します。


上場企業の経理の募集で、「30代前半の上場企業の経理経験者」がほしければ、「上場企業での経理経験があるかどうか」というテクニカルスキルがあるかどうかを見ます。

もちろん人物面のポータブルスキルの評価も面接で入りますが、営業系の仕事にくらべればその比率は下がります。

やはりテクニカル面をクリアしているか、そもそも専門的な仕事で、応募者が少なければ、人材の頭数が足りないので、テクニカルスキルをもっていたら、少し人物が?でも「採用してしまおう」という意識が企業に働きます。

実際に僕が転職エージェントで担当していたメーカーやSIerではそうでした。

ちょっとこの人は会った感じが暗くて人物大丈夫かな?と思っても企業が求める必要な経験はばっちり押さえていたので、普通に内定が出たりしたのを見てました。

2については、
まったくやったことがない仕事への挑戦は、

・今まであなたが経験してきたテクニカルスキルが活かせないことが多い
・転職には不利

ということを理解しておきましょう。

経理を5年経験した人が、営業職にチャレンジしたい例であれば

「経理で決算をまとめてきた経験」は転職先ではほとんど活かされません。

「経理での数字の感覚や管理能力を活かしたい」と本人は思っても転職市場ではさして評価されません。やはり「営業として何年やってどのくらいの実績をつんできたか」かが大事です。

仮に転職が決まったとしても、ゼロから営業としてのテクニカルスキルを貯めていく、
と考えてください。

ですので今まで経験したのと同じ仕事への転職の方がしやすいです。
「同業界で同職種の転職」や、「異業界で同職種の転職」が有利にになります。


転職市場にあまり出てこない希少な職種(例 特許など)であるほど応募書類や面接の出来具合はスルーされる傾向がありますが(そもそも人が足りない職種で競争率が低いから、応募してきただけでもありがたい、と思われる

一方、営業や事務の応募者が多い職種の場合は、競争率が高くなるので
上手にアピールできないと、いくら良い経験があっても印象が良い他の候補者に目がいき
落とされてしまいます。

ポータブルスキルを用いたアピールがなぜ重要なのかを説明します

×

・3年間、部品メーカーの営業をおこない、取引高を120%増やしました


これでは経験をただ並べてしゃべっているだけです。

企業は「で、ウチの会社にどんな得があるの?」「そんなことは履歴書に書いてるよね」
と内心思っています。

これだけでは足りず、「どんなスキルを手に入れたのか」ということまで踏み込んで
アピールしないと、企業には伝わりません。

たとえば

部品メーカーの営業を通して

顧客の4年先の技術動向をつかんで、自社の開発部門と連携
大型の受注につなげたのであれば

・最初〜ねばり強く通う→忍耐力、人柄の良さ、関係構築力


・4年先〜おとす→情報収集能力、分析力

・自社の〜連携→推進力、協調性

というスキルを身につけた、とアピールができます。

面接では

「〜顧客の4年先の技術動向をつかんで、自社の開発部門と連携して大型の受注につなげました。〜←取引高を年間で3百万から2億円まで増やし、優秀賞として支店で表彰されました、ここでは 〜略 という経験で 好かれていないお客さんとゼロからパイプをつくる関係構築力と、忍耐力を身につけました。御社の〜という分野でも貢献できると思います」


と伝えるのです。

こうするためには、棚卸しで書きだした業務内容を細かく1つずつ見ていきます。
そして経験の中から、抽出したスキルを抜き出していくのです。



「ほしい人物像」を業務スキルとセットにして採用決定をするパターンがあるから



企業によっては

「こういう経験があって、こういうタイプの人がほしい」と人物面まで指定して
オーダーを出してくることがあります。

そうした時に、面接で対人関係、コミュニケーションのポータブルスキルをアピールすれば

「うちの会社の求人にピッタリの人物だ」となって採用されるのも少なくないからです。


「総務」の仕事を例に出します。

総務といえば、「会社の備品の整理、文具の発注管理、社会保険の手続き、レクレーションの企画、電話対応、業者との付き合い」など社内の裏方として幅広い仕事をこなします。

総務で求人を出す際は、総務の業務経験が必須、となることが多いですが

経験だけあればいいか、というとそうでありません。

営業所の支店だとしたら、営業マンが働きやすいように職場の環境を整える役目です。

営業マンが「電球が切れました」と伝える時に、仕事を頼みやすいような雰囲気があるか

いわれなくても気がついて社内の環境の整備を整える「気配り力」があるかどうかも大切です。

営業じゃなく事務職だから、暗くてジメジメした雰囲気でもいいわけではありません。

そういう人がいたら、営業マンは気持ちがどんよりしますし、頼みにくければ、「あの総務は使えないからな〜」と噂されます。

また会社に出入りする業者や、他部署との調整も多くなります。
コミュニケーション力や、調整力といったことも求められます。

こういったスキルが問われるので、求人で担当者は転職エージェントにお願いするときに

「総務の経験者ね。ウチの営業マンは気性が激しいのが多いから
何かいわれても耐えられて、雰囲気はほがらかで仕事を頼みやすい人がいいね、あと社内の飲み会が月1であるから、そこで盛り上げられる人」

と人物面も合わせてオーダーを受けたとします。

そういう時に、「〜でちがう支店の部署は、やり取りが大変だったがうまく関係をつくり、協調する力を身につけた。〜の業者とのコスト削減の商談では、交渉力をみがいた」と

などと対人関係の具体的なエピソードとポータブルスキルを合わせてアピールすれば
「面接での人物面が合致」で合格へ近づきます。