転職と資格

転職活動では資格をもつと、どのような評価をうけるのでしょうか?

転職エージェントに勤務していたプロの目から
結論からいうと

1 ほとんど意味なし
2 資格と実務経験はワンセット
3 中途採用は学校で勉強だけした知識だけの人より、現場経験がある人、実績を積んだ人を採用したい
3 資格マニアのように書きまくると逆にマイナス
4 ある条件では、プラスに評価される資格がある


になります。

4のプラスに評価される資格は

・業務経験とリンクした資格

・自分の仕事の延長線上にある資格なら評価される

になります。

  例  仕事内容       資格

→住宅会社勤務の現場監督  施工管理技士の資格
 税理士事務所の職員    税理士の資格
 外資系コンサル会社    MBA
 IT会社でデータベース  オラクルマスター

上は全部、仕事内容に関連した資格です。

すでに税理士事務所に働いている人が、税理士の資格を取った場合

住宅会社ですでに勤務している人が、施工管理技士の資格を取った場合

「すでに働いていること」が前提になっています。


1では世の中にある「○○検定」「〜1級」という民間団体が運営する資格が
乱造されていますが、ほとんど取ったところで意味がありません。

日本人は世界でみると、異常に資格が好きです。世界の学習力ランキングで上位に入るくらい勉強好きでまじめな国民性ですし、資格を受けさせることが、試験料も入るし塾や教材が売れるしでビジネスになっている側面があります。

資格イコール即転職に結びつくか、というと全然そうではありません。

むしろ3のように

何の脈絡もなく資格マニアのように取りまくった資格を履歴書に列挙して書けば

「この人資格マニアなんだな」と思われて逆にマイナスになります。


基本的な考え方は2番の

・資格はあくまで実務経験とワンセット
・自分の仕事の延長線上にある資格なら評価される

と考えてください。

中途採用は

企業の求人で求める条件に対して

応募者が「求人と合致した実務経験を持っているか、どんなキャリアを積んできたか」

が採用の合否になります。

あくまで評価されるのは、「実務経験があるか」だけで見られるのがほとんどです。

簿記の資格をもった営業マンは、経理の経験がないので
簿記だけ取っても、経理職には転職は決まりません。

資格だけ持っていたとしても、それは「実務経験がある」ことの証明にはならず
単なる

・こういう業務をやる免状をもらいました
・この分野の勉強をしてテストで合格ラインに達しました

という証明だけなのです。

資格だけで職が決まるのは、新卒採用の就職活動だけ、と考えておいた方が楽です。

学生時代に

・CADの資格を取った → CADの設計サポート職に就職

・簿記の資格を取った→ 経理事務に採用

資格取得が直結して就職が決まります。

これと同じことは中途採用ではない、あったとしてもレアなパターンと考えておきましょう。


業務の延長上の資格とは


自分の仕事に関係した資格であるかどうかになります。

  現在の仕事         資格

・経理        →  簿記検定、税理士の科目
・人事で労務管理   →  社会保険労務士
・住宅設計      →  1級建築士


といったように、実務と関連したものになります。

社労士の資格が、人事部に所属していれば必ずしも役に立つわけではなく

人事で採用業務だけを担当しているのでしたら、社労士の資格は必要ありません。

人事での業務の幅を広げたい、採用だけなのを労務管理までやりたい、ということを会社にアピールするために社労士の資格を取るのは意味があると思います。

建築業界での1級建築士は、設計や工事監理をおこなう仕事をしている
人にとっては高い価値があります。出世の条件になっていたり、資格手当がもらえたりします。

ここもあくまで実務をおこなっているのが前提で、資格を取ることでプラスに
なるパターンです。


教育訓練給付制度


取得したい資格の学費が4割戻ってくるもしれません。
厚生労働省が指定する講座を受講して、決められた基準の出席をすれば、学費の一部を
国が出してくれる制度になります。

雇用保険を5年以上支払った人は、講座の料金の4割(上限は20万円)
3年以上〜5年未満で2割(上限は10万円)

出してくれます。

条件が細かくあって、国が指定した資格の講座であること、あまりに低い講座の料金の場合は対象外になる場合もあります。資格の勉強をスタートする前に対象になっているか調べてみましょう。


資格と実務経験とどちらを優先するか


もしやりたい仕事が見つかり、それが資格を必要とするもの
資格がある方がプラスになるものなら

・先にその業界に転職して、働きながら資格をとる

方がおすすめです。

医者や会計士などそもそも資格を持っていないと転職ができない
ものもありますが、多くは資格を取る前にその業界に潜り込めるものが多いです。

そういう資格の場合は、「あくまで資格は必要な知識を身につけているか」という
証明にしかなりません。

たとえば ファイナンシャルプランナーとして仕事をしていきたい人の場合


Hさん

資格 ファイナンスシャルプランナー 
   簿記2級
   自動車整備士


年齢 29歳

経験 大学卒業後に2年間、自動車販売会社で事務として勤務
   その後に1年家業の手伝い、その後1年半
   ファイナンシャルプランナーの資格と簿記の資格の勉強に費やす

現在 ファイナンシャルプランナー事務所の見習い
   年収350万円



Oさん 

資格  なし
    (他は忙しくて取れていない)

年齢  29歳

経験  専門学校を20歳で卒業後
    保険会社に3年
    証券会社に4年  勤務、営業成績はトップに近く優秀

現在 ファイナンシャルプランナーとして独立 年収800万円


資格を取るのに時間を費やしたHさんより、実務経験が長く積み、忙しくて資格取得を
ほとんど行わなかったOさんの方が評価されます。

そもそもファイナンシャルプランナーをもっていなくても、資産運用のアドバイスは行えますので

・資格がないと転職ができない業界なのか
・そうでないのであれば、まずは実務経験を積むために業界に入る
・必要な資格なら、業務をしながらを取る、

というスタンスの方がうまくいくパターンがあります。