よく「転職エージェントは費用がかかるから、直接応募した方が選考が
有利になるのでは?」という声を聞きますが、
元社員、今は経営層として採用する側にまわっている僕の考えをお伝えします。
結論は、どっちがいいかはケースバイケースです。
よく費用がかかるから、転職エージェントと直接応募だと、転職支援は不利、という意見を耳にします。
後述しますが、必ずしもそうではありません。
確かにコストがかかるので、「たけ〜な」と思うのですが、別に採用コストだけで判断する訳でありません。
これは経営層になって採用費用を払う側になれば分かります。
○直接応募との採用費用のちがい
Sさん 直接応募 = 0円
Iさん 転職エージェント経由 = 例 140万円 年収400万円×30%
と仮定した場合の手数料
SさんとIさんがほぼ能力が同じ、面接での印象もほぼ同じ
の場合は、直接応募のSさんが勝つでしょうね。
転職手段の有利・不利を『採用費用』で見ると
たしかに転職エージェントは、ハロワ(無料)、転職サイト(70,80万)に比べて高いです。
能力が同じなら、企業なら当然、費用が安い方にかたむきます。
○転職エージェント経由の応募者は目線高め・厳しめになることも
・直接応募で0円で採れる人材
・転職サイトで70万で採れる人材
・エで150万の手数料がかかる人材
を両方を同じ目線で見る会社もあれば
150万かかる人材なら、「こういう経験が必要」と募集手段で求めるスペックを変える企業もあります。お金がかかるほど、高い経験を求めるケースです。
その場合は、応募者はシビアに見られる可能性があります。
じゃあ絶対に直接応募が有利なのかというとそうでもありません。
○そもそも採用費用が潤沢な企業だと、あまり関係ないケースも
転職エージェント経由で、年間の中途採用を30名以上は行っている企業だと
確かに直接応募で来てくれた方が、お金が1件分、かからないのでうれしいと思うのですが
30名 × 150万円(1件当たりの手数料) = 4500万円
30名だと年間で数千万を転職エージェントに採用費でぶっ込んでいるので、
1件分の150万円を減らした所で、大した差にはなりません。
それよりも採用目標のノルマ・少しでもいい人材に来てほしい、という考えるケースもあります。
経常利益、ウン十億円と出ている会社だと、140万の採用費は金魚のフンみたいに思う、ということです。
「採用費用」を企業がどこまで重きに置くかで、ここでちがいますので、ケースバイケースと言ったのはこのためです。
○複数の経路を使って募集している会社であれば、どこの応募だろうが
あまり気にしないケースも
例
転職サイト
転職エージェント
自社のHP
複数の経路を使っている企業は
『欲しい人材ならお金がかかってもいい』というスタンスですから
どこの経路なのかというのは、あまり気にしないこともあります。
○悪貨は良貨を駆逐するのパターン
思っているほど、直接応募の人数というのは多くないです。
ハローワークにすでに出していた会社の採用活動の手伝いを何社もしたこともありますが、あんまりハロワからの応募は少ないです。
僕の企業担当として手伝った中では、ハロワに負けたことはほとんどなかったです。
強さは、求人情報を濃く登録者に伝え、バシバシ案内して、求人を売り込んで、面接にガンガン行ってもらう数の論理が働きます。
例
・直接、ハロワ 2人応募
・エ 8人応募
だと8人中1人の直接の候補者の存在は薄まります。
面接を全員してみて、直接の2人が可もなく不可もなくだと、
仮に転職エージェント経由で、欲しい良い候補者がいると、社長は、150万払っても、そっちの人材がほしくなるのです(笑)
だいたい下でも話してますが、人材採用 = 投資 ですから
150万の採用費をかけても、活躍してくれそうだなとイメージをもてば
将来にペイするのですから、惜しくないと思うケースもあります。
反対に採用費ゼロでも、お荷物社員になりそうだと考えたら、給料泥棒なのですから
採用はしたくないです。
○じゃあどうすればいいか?
・求人に必要な条件にピッタリ持っている、自信がある
・エージェントがその企業の内部情報をたんまり持っていそう
後々の内定まわりのサポートを受けながら応募したい
のであれば、応募した方がいいです。
くわしい選考の情報を持っていると、それだけで合格率が上がります。
・準備ばっちりで、的確な受け答えができた転職エージェントで受けたOさん
・対策ができてなくて、しどろもどろな回答の直接応募のKさん
がいたとしたら、お金がかかっても評価が高いOさんを採用したいとおもうでしょう。
サービスを利用する会社は、わりかし人材にお金をかけてもいいと
思う会社が多く(払いたくない・払えない会社はそもそもエージェントを使わない)
『良い人材だったらお金払ってもいいよ』と思っている会社も多いです。
『良い人材=採用条件に合う人材・将来期待できそう人材』のことです。
その場合は手数料を払ってくれます。
・受けたい求人の条件に比べて、少し経験が足りない
採用費によるネックを下げたい
という方でしたら、直接応募・転職サイト経由で応募した方がいいと思います。
その際は、転職エージェントは「情報収集用・転職力アップのために」使うサブ的に考えればいいと思います。
○どっちが有能なイメージがあるか?
→これは関係ありません。
直接応募だろうが、何からだろうが印象はそう大きく変わりません。
転職エージェントで信頼している営業から「この人は御社にピッタリです」
と押されれば、確かにその分のプレミアはつくと思います。それで書類選考の合格率が上がる
というのはあると思います。
○箸にも棒にもかからない人材なら、たとえ0円、直接応募でも採用はしない
頭数をそろえるための採用でなく、正社員で長く働いてくれる人材を採りたい場合は、たとえ採用費が直接応募で0だとしても、必要な経験が足りないのであれば、無理に採用しないです。
その社員に、ずっと給料・社会保険を払わないといけないから、ダメな人材に20年・30年と人件費がかかる方を避けたいからです。
30年1人の労働者に働いてもらうのは、1億5千万の人件費を払い続けるのと同じです。
長期スパンで見れば、払う150万なんて微々たるものです。
社長や取締役などの経営層の視点は上のように長期スパンで見ます。ここは人事担当者と違います。
上の例のように、定年までの30年間の人件費を払うのに、この人材は見合うか、という視点で考えたりします。
そうすると、1億5千万と、1億5千150万の差はほとんどないのですから
会社の将来を担ってくれそうな期待できる人材であれば、最初の報酬なんて惜しくないとさえ思います。
人材=投資 と考えるのであれば、最初に手数料を取られて終わりです。
たとえ採用費ゼロでもダメな人材に、合計で億を超える給料を払いたくはない、と経営層は考えたりします。
ですから必要以上に不利・直接応募がいい、と思うことはないです。
有能な人材で長く働いてくれて、大きな利益をもたらしてくれるなら、僕なら高い採用費を払ってでも欲しいと思います。
有利になるのでは?」という声を聞きますが、
元社員、今は経営層として採用する側にまわっている僕の考えをお伝えします。
結論は、どっちがいいかはケースバイケースです。
よく費用がかかるから、転職エージェントと直接応募だと、転職支援は不利、という意見を耳にします。
後述しますが、必ずしもそうではありません。
確かにコストがかかるので、「たけ〜な」と思うのですが、別に採用コストだけで判断する訳でありません。
これは経営層になって採用費用を払う側になれば分かります。
○直接応募との採用費用のちがい
Sさん 直接応募 = 0円
Iさん 転職エージェント経由 = 例 140万円 年収400万円×30%
と仮定した場合の手数料
SさんとIさんがほぼ能力が同じ、面接での印象もほぼ同じ
の場合は、直接応募のSさんが勝つでしょうね。
転職手段の有利・不利を『採用費用』で見ると
たしかに転職エージェントは、ハロワ(無料)、転職サイト(70,80万)に比べて高いです。
能力が同じなら、企業なら当然、費用が安い方にかたむきます。
○転職エージェント経由の応募者は目線高め・厳しめになることも
・直接応募で0円で採れる人材
・転職サイトで70万で採れる人材
・エで150万の手数料がかかる人材
を両方を同じ目線で見る会社もあれば
150万かかる人材なら、「こういう経験が必要」と募集手段で求めるスペックを変える企業もあります。お金がかかるほど、高い経験を求めるケースです。
その場合は、応募者はシビアに見られる可能性があります。
じゃあ絶対に直接応募が有利なのかというとそうでもありません。
○そもそも採用費用が潤沢な企業だと、あまり関係ないケースも
転職エージェント経由で、年間の中途採用を30名以上は行っている企業だと
確かに直接応募で来てくれた方が、お金が1件分、かからないのでうれしいと思うのですが
30名 × 150万円(1件当たりの手数料) = 4500万円
30名だと年間で数千万を転職エージェントに採用費でぶっ込んでいるので、
1件分の150万円を減らした所で、大した差にはなりません。
それよりも採用目標のノルマ・少しでもいい人材に来てほしい、という考えるケースもあります。
経常利益、ウン十億円と出ている会社だと、140万の採用費は金魚のフンみたいに思う、ということです。
「採用費用」を企業がどこまで重きに置くかで、ここでちがいますので、ケースバイケースと言ったのはこのためです。
○複数の経路を使って募集している会社であれば、どこの応募だろうが
あまり気にしないケースも
例
転職サイト
転職エージェント
自社のHP
複数の経路を使っている企業は
『欲しい人材ならお金がかかってもいい』というスタンスですから
どこの経路なのかというのは、あまり気にしないこともあります。
○悪貨は良貨を駆逐するのパターン
思っているほど、直接応募の人数というのは多くないです。
ハローワークにすでに出していた会社の採用活動の手伝いを何社もしたこともありますが、あんまりハロワからの応募は少ないです。
僕の企業担当として手伝った中では、ハロワに負けたことはほとんどなかったです。
強さは、求人情報を濃く登録者に伝え、バシバシ案内して、求人を売り込んで、面接にガンガン行ってもらう数の論理が働きます。
例
・直接、ハロワ 2人応募
・エ 8人応募
だと8人中1人の直接の候補者の存在は薄まります。
面接を全員してみて、直接の2人が可もなく不可もなくだと、
仮に転職エージェント経由で、欲しい良い候補者がいると、社長は、150万払っても、そっちの人材がほしくなるのです(笑)
だいたい下でも話してますが、人材採用 = 投資 ですから
150万の採用費をかけても、活躍してくれそうだなとイメージをもてば
将来にペイするのですから、惜しくないと思うケースもあります。
反対に採用費ゼロでも、お荷物社員になりそうだと考えたら、給料泥棒なのですから
採用はしたくないです。
○じゃあどうすればいいか?
・求人に必要な条件にピッタリ持っている、自信がある
・エージェントがその企業の内部情報をたんまり持っていそう
後々の内定まわりのサポートを受けながら応募したい
のであれば、応募した方がいいです。
くわしい選考の情報を持っていると、それだけで合格率が上がります。
・準備ばっちりで、的確な受け答えができた転職エージェントで受けたOさん
・対策ができてなくて、しどろもどろな回答の直接応募のKさん
がいたとしたら、お金がかかっても評価が高いOさんを採用したいとおもうでしょう。
サービスを利用する会社は、わりかし人材にお金をかけてもいいと
思う会社が多く(払いたくない・払えない会社はそもそもエージェントを使わない)
『良い人材だったらお金払ってもいいよ』と思っている会社も多いです。
『良い人材=採用条件に合う人材・将来期待できそう人材』のことです。
その場合は手数料を払ってくれます。
・受けたい求人の条件に比べて、少し経験が足りない
採用費によるネックを下げたい
という方でしたら、直接応募・転職サイト経由で応募した方がいいと思います。
その際は、転職エージェントは「情報収集用・転職力アップのために」使うサブ的に考えればいいと思います。
○どっちが有能なイメージがあるか?
→これは関係ありません。
直接応募だろうが、何からだろうが印象はそう大きく変わりません。
転職エージェントで信頼している営業から「この人は御社にピッタリです」
と押されれば、確かにその分のプレミアはつくと思います。それで書類選考の合格率が上がる
というのはあると思います。
○箸にも棒にもかからない人材なら、たとえ0円、直接応募でも採用はしない
頭数をそろえるための採用でなく、正社員で長く働いてくれる人材を採りたい場合は、たとえ採用費が直接応募で0だとしても、必要な経験が足りないのであれば、無理に採用しないです。
その社員に、ずっと給料・社会保険を払わないといけないから、ダメな人材に20年・30年と人件費がかかる方を避けたいからです。
例
・ダメな人材の直接応募者 =採用費 0円 × 30年 ×500万円 =人件費 1億5千万
・転職エージェントから紹介された優秀な人材 = 採用費 150万 × 30年 × 500万円 = 1億5千150万
・ダメな人材の直接応募者 =採用費 0円 × 30年 ×500万円 =人件費 1億5千万
・転職エージェントから紹介された優秀な人材 = 採用費 150万 × 30年 × 500万円 = 1億5千150万
30年1人の労働者に働いてもらうのは、1億5千万の人件費を払い続けるのと同じです。
長期スパンで見れば、払う150万なんて微々たるものです。
社長や取締役などの経営層の視点は上のように長期スパンで見ます。ここは人事担当者と違います。
上の例のように、定年までの30年間の人件費を払うのに、この人材は見合うか、という視点で考えたりします。
そうすると、1億5千万と、1億5千150万の差はほとんどないのですから
会社の将来を担ってくれそうな期待できる人材であれば、最初の報酬なんて惜しくないとさえ思います。
人材=投資 と考えるのであれば、最初に手数料を取られて終わりです。
たとえ採用費ゼロでもダメな人材に、合計で億を超える給料を払いたくはない、と経営層は考えたりします。
ですから必要以上に不利・直接応募がいい、と思うことはないです。
有能な人材で長く働いてくれて、大きな利益をもたらしてくれるなら、僕なら高い採用費を払ってでも欲しいと思います。